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日  時:2003年9月22日(月) 19:00〜22:00
場  所:麺房亭&春雷亭
参加者:9名

   内容
 2003年9月14日から16日にかけて沖縄本島の泡盛蔵元巡りをしてきた徳田による報告会を、「泡盛と豚肉」をテーマに開催した。
 会場には、徳田が土産に持ち帰ったチラガー(豚の顔皮)、スーチカ(豚バラ肉の塩漬け、スーチキともいう)、泡盛の他、黒塚さんが腕によりをかけた盛り沢山の料理(骨酒も・・・)と、谷杉さんが田舎(山梨)から持ち帰った蜂の子、地酒など、首里の宮廷料理を凌ぐ賑やかなテーブルが用意された。

 「泡盛」「豚肉」「三線」は沖縄の三大文化といわれ、沖縄を知るためには避けて通れないものである。豚肉を食べて、泡盛を呑んで、三線の奏でる音楽に酔う。なんともスローなスナップ映像が思い浮かぶ。

 今から約600年前、中国から豚が持ち込まれた。沖縄は珊瑚に覆われた島のため、食物の栽培が難しく、豚に与える餌を確保することができず、伝来以来約200年間は宮廷における特別な時に食す食材として飼育されていた。この豚が庶民の食卓に上るようになるのは、約400年前のあるできごとがきっかけとなった。
それは甘藷の伝来である。甘藷は沖縄の土、気候、その他の環境にも適応し、容易に栽培することができた。この甘藷の普及は沖縄の庶民の食生活に大きな影響を与えた。それまで野草や薬草が主な食材であったが、それに安定的に生産される甘藷が加わった。また、甘藷は豚の飼育にも用いられ、豚肉が庶民の口に入るようになった。甘藷は九州・鹿児島に伝えられ、薩摩芋として日本全国へ広がっていった。同じルートで広がったものは他にもあり、薩摩揚(沖縄のかまぼこから発展)や焼酎(泡盛から発展)などが有名である。
 「豚は鳴き声以外は余すところ無くすべて食べ尽くす」といわれている。事実、爪と毛以外は全て食されている。これは医食同源の考えに根ざした沖縄の食文化の現れであり、豚は「類をもって類を補す」という「命の薬(ヌチグスイ)」とされている。人の身体で弱ったところ(患部)や補強したいところがある時、豚の同じ部位を食すことで症状を癒したり機能を補ったりする。したがって、捨てるところが無い。
 日本の長寿一番といわれる沖縄県の背景には、人々の食文化が大きく影響を与えていることは間違いない。沖縄は他の都道府県と比較すると、圧倒的に塩分と脂分の摂取量が少ない。野草・薬草を主にした質素な食事が基礎となり、それに様々な食材が食されるようになってきた歴史がつくりあげたものであろう。これに加えて、沖縄料理の調理方法にも特徴を見ることができる。例えば豚肉の調理においては、必ず長時間お湯で煮出すことがあげられる。炒め料理や煮込み料理に使う場合も、まずはお湯で20分以上煮出して不要な脂分を十分に抜いてから、次の加工をすることになる。
また、味付けには出汁を濃くとる。出汁を濃くすることで、塩分による味付けを最小限に押さえている。沖縄の出汁は昆布が多用されている。かつての北前船交易のなごりとされている。北前船が蝦夷で仕入れた昆布を沖縄で卸していたようだ。

 豚の伝来とほぼ同じ600年くらい前、シャム(現在のタイ)から伝わったとされるのが泡盛である。発酵学の権威、東京大学名誉教授の故坂口謹一郎先生が1970年に雑誌「世界」4月号に掲載した論文「君知るや銘酒泡盛」で学術的にも認められ、国内でも一般に知られるようになった独特の蒸留酒で、奄美群島、鹿児島、九州南部と伝わっていき、わが国の焼酎のもとになった酒である。
 泡盛は酒税法上では乙類焼酎に分類(一部、高アルコール度数のものを除く)される。しかし、泡盛と焼酎(一般に焼酎と呼ばれている酒)の間には、いくつかの違いが存在する。泡盛の特徴(焼酎と比較して)は次の3点である。

 1)原料がインディカ種タイ米である(酒造組合で共同購入)
 2)麹は黒麹菌を使用する(雑菌に強く沖縄の気候に適している)
 3)2次もろみを造らない(1次もろみを発酵、蒸留させて造る)
なぜか山梨の蜂の子もテーブルに

 泡盛は古酒(クース)文化を持つ酒といわれる。確かに寝かせて熟成させることで、味に変化を持たせて楽しむ酒でもあるようだ。古酒(クース)と名乗るなめには、3年以上の熟成を必要とする酒造組合の自主規制がある。ただし、蔵元によってはより厳しい自主規制をしているところもある。熟成には土の焼物(甕)貯蔵が良いとされてきたが、若手の中には設計・計画通りに育てるためには瓶貯蔵が良いと考える造り手も出てきている。


 沖縄には、今回取り上げた豚肉と泡盛以外にも、興味深い食材や料理が沢山ある。会員みんなで現地へ探しに行きたいものだ。

(2003年11月13日 徳田博之 作成)


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