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横浜は日本の食文化史上特異な位置を占めています。それは、1859年、現在の日本の出発点となった横浜開港によって、それまで小さな漁村だった横浜に外国人居留地が作られ、そこに住んだ欧米人たちが母国の食文化を持ち込んだためです。彼らは、牛肉や牛乳などの基本的な食材を周辺の農家から手に入れました。その結果、新開地横浜に集まってきた人々のなかに、それまでなかった欧米の食材や食品を口にする日本人が現れたのです。
横浜には食べ物の「日本初記録」がたくさんあります。
例えば……、
1861年 W・グッドマンが日本で初めてパン屋を開業
1862年 日本初の本格的なレストラン「ゴールデン・ゲート・レストラン」がオープン日本で最初の牛鍋屋「伊勢熊」が開店
1864年 ファー・ブロス商会が日本で初めてソーダー水を販売
1865年 R・リズレーによりアイスクリームが日本初登場
1869年 ジャパン・ブルワリーが日本でビールを初醸造 etc
そして、横浜の人々は、欧米人よってもたらされた多くの「日本初」を自らの手で「日本人として初めて」に変えていったのです。
1867年 中川嘉兵衛が元町一丁目で日本人として初めてパンを販売
1869年 日本初の西洋料理店「崎陽亭」開店町田房造が最初の日本人製アイスクリームを馬車道で販売
1881年 日本人による初めてのハム製造が鎌倉郡戸塚で開始
etc
それは、日本の食文化にとってまさにルネッサンスともいうべき出来事でした。いまやすっかり日本の"食"の一部として定着したパンや牛肉、乳製品、畜産加工食品などは、まず横浜から全国各地に広まっていったのです。さらに、牛鍋から進化した「すき焼き」、横須賀の海軍基地で生まれたといわれる「カレーライス」、日本最大の中華街にルーツがある「ラーメン」など、日本の現在の大衆料理も横浜を発祥の地としています。つまり、日本の食文化に新たな味と伝統を加えたのは横浜なのです。
そして、いま日本に再び"食のルネッサンス"が起ころうとしています。それが"食"の工業化を考え直し、伝統的な食文化を見直そうという動き、スローフードです。
私たちは、横浜が約140年前、欧米の食文化流入の玄関となった場所であるからこそ、日本の新たな"食のルネッサンス"=スローフードの発信地としてふさわしい、と考えます。
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